気仙沼市?東京海洋大学連携事業「"海と生きる"連続水産セミナー第3回」を開催しました
2021年3月11日
2021年3月10日(水)「"海と生きる"連続水産セミナー」が開催されました。
会場となった気仙沼魚市場会議室には大型スクリーンが設置され、今回もオンラインによる講演となりました。集まった聴講者とオンラインの参加者を合わせて約60名の参加がありました。
本学からは、松井 隆宏(東京海洋大学 海洋政策文化学部門 准教授)が、「IUU(違法?無報告?無規制)漁業の問題とこれからの漁業?資源管理-水産政策の改革を踏まえて-」をテーマに講演を行いました。
松井准教授からは、国内におけるIUU漁業の事例を挙げ、漁獲量が正確に把握できないと科学的な資源管理のデータがとれず資源量の推定が狂ってしまい資源のコントロールが困難になること、また、それが日本のマーケットにとってどのような影響があるのかを分析した結果について解説しました。
その上で、日本に輸入されている水産物のうち24~36%が違法?無報告で取られたとする結果が報告されている論文を説明し、一番大事なことは、もしIUU漁業がなければIUU漁業由来ではない水産物の価格が上昇するはずで、価格の上昇分を考慮に入れないと正確な水産物の流入による影響の評価はできないだろうという指摘がありました。
また、普段、海外から輸入されている「IUU水産物」としらずに食べている可能性があることは消費者にとって、損をしている可能性があることを課題に挙げ、水産物の価格の上昇は、消費者にとってマイナスかについて、資源が枯渇することは環境問題にも悪影響を及ぼす、水産資源が保護されることは長期的に見れば水産物の価格が下がる事にもなり消費者にとってプラスに働くと説明しました。
最後に、漁獲証明制度やトレサビリティの導入を運用することは、IUU漁業の対策として非常に重要であることで、スマート水産業の推進は漁業者の負担軽減の意味でも重要であることを説明しました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
本学では、今後も様々な機会を通じて、研究成果を広く社会に還元するとともに地域連携を進める取組を行ってまいります。
なお、「"海と生きる"連続水産セミナー第4回目」のご詳細は改めて、三陸サテライトホームページ内にてご案内申し上げます。