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nimL費消料燃 ,【科学的意義】造波抵抗が干渉する「ハンプ」と「ホロー」は造船工学でも予測されており、水槽試験を通じて現象の理解が進んでいるが、実船での研究事例は見られない。本研究では、これらの現象を利用して、省エネ運航に結び付けようとする画期的な発想に基づいている。【研究経緯】これまでの研究により、19トンの漁業調査船では、これらの流体力学的な現象の発現と、燃費の関連性を確認してきた。一方、造船工学で予測されてきた手法では、実際に「ハンプ」「ホロー」を特定できないことも明らかになってきている。この原因として、船体汚損、載貨状態の違いなどがあげられる。そこで、事前予測ではなく、船上で航走中にリアルタイムで航走状態を特定する技術が必要になる。【技術課題】研究代表者らは一部の小型船の運航データから、構想状態のモニタリング結果から「ハンプ」「ホロー」といった航走状態を類推する基礎的手法を見出している。しかし、航走データが不足しており、社会実装を視野に入れた十分な評価が出来ていない。また、異なる船種、トン数、主機関でも通用するか否かについては未検討である。本研究助成では、19トンに加えて3トンの小型船において燃料消費量、主機回転数、船速その他の航走データを収集し、「ハンプ」「ホロー」の検出手法開発に必要な基礎データを作成し、解析を行う。【社会実装】本研究は神奈川県水産技術センターの協力の下、実施を行ってきたが、その過程で多くの企業?団体から技術提携や社会実装に向けた引き合いを複数いただいている。このため、業界需要は十分に見込める状況にあると考えられる。当該研究では20トン以上のJG船級漁船を対象に調査を行う予定であるが、10トン未満のJCI船については、JSTの研究成果展開事業A-STEPトライアウト「ハンプとホローの判別に基づく燃料消費節減技術に関する研究開発」(課題番号:JPMJTM22BG)にて実施している。超低コストで船舶の省エネ運航を実現するための基礎技術の確立研究代表者メンバー「ハンプ」により、わずか0.1knotの差で燃料消費が18% も増加する現象が発生する。「ハンプ」状態に気づき、これを上手に避ければ、無駄な燃料消費を減らせる。図11燃料消費と船速の関係木船弘康(海洋電子機械工学部門)腾博会官网9885生平賀和徳、栗原陸学部学生近藤星也瞬時値平均値(2分)船速, knot課題の概要結果と今後の展望実施体制ハンプ状態4.03.02.01.00.005/101520253018%増4.海洋ビッグデータの取得、AI分析研究の推進(6)造波抵抗の干渉に着目した漁船向け低燃費航行状態の検出技術に関する開発

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