- Q 現在の研究テーマはなんですか。
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小笠原諸島に生息しているミズクラゲの、種の分類や生態に関する研究を行っています。
- Q 研究に取り組み始めたきっかけを教えてください。
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- 小笠原諸島は東京から船で20時間ほどかかる島で、独特の生態系で構成されていて、固有種も非常に多いところです。そこではまだクラゲの種が分類されていなかったので、もしかしたら新種のミズクラゲが生息しているかもしれないと思い研究を始めました。またクラゲは大量発生が原因で漁業や発電所に深刻な被害を与えたり、海洋生態系に及ぼす影響が大きい生物でもあるので、小笠原における環境への影響も調べたいと思いました。
- Q 研究の面白さややりがいを教えてください。
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調査の結果、小笠原のミズクラゲは新種ではなかったのですが、世界で初めて自分が小笠原にいるクラゲの生態を研究して、一番にその結果を知ることができたことに、意義とやりがいを感じました。
- Q 研究の大変な点を教えてください。
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- 大変な点はやはり生き物を相手にしているということです。実際にクラゲを採集しに、船で1週間かけて小笠原諸島に行くのですが、クラゲは自然環境の変化に敏感で、雨が降ると姿を消してしまうことも多く、小笠原に行っても採集できないことが何度かありました。
- Q 研究によって、どのような社会的インパクトが期待できますか。
短期的なもの(1~2年後程度)と長期的なもの(~10年後)を教えてください。
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短期的には、小笠原諸島に生息するクラゲのすでにわかっている生態をもとに、人間活動や海洋生態系にどういう影響を及ぼすのかということが推測しやすくなります。
長期的には、小笠原にいるクラゲが熱帯から亜熱帯域の広い範囲に分布する種であるということがわかったので、今後気候変動等による分布の拡大を予測するためのデータとして役立つと考えています。 - Q 研究は、SDGsのどの項目に貢献できますか。
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- クラゲの生態を理解することで、気候変動によるクラゲの動向を予測し、生態系保護に繋げることができるため、「目標14:海の豊かさを守ろう」という目標に貢献できると思います。
- Q 東京海洋大学に入学するにあたり、影響を受けた人や出来事はありますか。
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- 幼い頃から海や生き物に触れる機会が多く、自然と海に関心を持つようになりました。また高校時代に本学の土屋光太郎准教授の著書に出会い、それが海洋生物学を志すきっかけになりました。本学に入学してから、実際に授業も受けさせていただきました。
- Q 腾博会官网9885への進学を決めた理由を教えてください。
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- 研究が楽しいという思いが一番です。研究を続けることで、興味を深められるだけでなく、将来もこの分野に携わりたいという気持ちが強まりました。
- Q 将来の夢や目標など、目指すキャリアを教えてください。
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- 将来的には大学教員として、研究を続けながら教育にも携わりたいと考えています。クラゲ以外のプランクトンに関する研究にも携わりたいです。
- 修士(博士)課程への進学を検討している人(受験生)へのメッセージをお願いします。
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- ネットで調べると、博士課程にはネガティブなイメージが強いようですが、実際に進学してみると、研究を濃密に、長い時間できることがとても楽しいです。もし研究が楽しいと感じる部分があるなら、自分の気持ちを大切にして欲しいと思います。